老齢大木の樹勢回復

   

平成26年度に「羽衣の松」の樹勢の衰えが確認され、その原因として来訪者の踏圧により形成された土中の固結層(硬く締まった土層)が根や菌根の生育を阻害していることが明らかになったことから、平成28年度より、羽衣の松周辺の老齢大木エリアを対象に、木炭と菌根菌による土壌改良を進めました。

令和2年度には、踏圧防止のため木柵による通行ルートを設定し、一部を一方通行として通行部は定期的に土壌のほぐしや穿孔を行い、固結層が再形成しないよう維持管理をしています。

また、樹勢の衰えた老齢大木にはシンクイムシ、ハダニ、葉ふるい病が発生しているため、被害の拡大を防ぐため薬剤散布を行っています。

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三保松原では、老齢大木の樹勢を回復するため2つの対策を実施しています。

①土壌改良

マツの根元から放射状に掘削して固結層を取り除き、さらに孔をあけて土壌改良材(木炭、珪藻土焼成粒)を埋設し、最後にマツと共生し成長を助ける菌根菌を散布します。


平成28~29 年度に土壌改良したマツ16 本について樹勢の推移をモニタリングしており、施工後、半数のマツの樹勢回復が確認され、樹勢の衰えたマツは無く全体的に緩やかな回復傾向にあります。
※事業主体:静岡市
 監理・支援:研究所

②病害虫防除(芯くい虫、ハダニ、葉ふるい病)

羽衣の松を含む老齢大木エリアでは、平成28年度より、シンクイムシ、ハダニ対策として、毎年4月に薬剤散布を実施しています。また、令和元年度からは、葉ふるい病対策として、毎年6月から9月までに4回の薬剤散布を実施しています。
※事業主体:静岡市
 監理・支援:研究所